両国国技館は、東京都墨田区にある大相撲の中心会場で、日本相撲協会が所有する屋内施設である。1985年に蔵前国技館から移転して開館し、東京場所の開催地として広く知られる。相撲興行に加え、格闘技や音楽公演など多目的利用も行われ、両国の街の象徴的存在になっている。
概要
JR両国駅から徒歩圏にあり、相撲観戦の体験と街歩きを結び付ける拠点として機能してきた。館内には土俵を中心に、桝席と椅子席を組み合わせた独特の客席構成があり、観客の視線が土俵へ収束するよう設計されている。相撲興行の際は、番付や呼出しの声、行司の装束といった伝統的な要素が空間全体を満たし、スポーツ観戦というより儀礼に近い空気が生まれる。
施設としては大規模な屋内アリーナで、収容人数は約1万1千人規模とされる。可動式の桟敷席を備え、土俵中心の相撲仕様からステージやアリーナ客席へと会場を組み替えられる。そのため、相撲が開催されない期間には貸館として各種イベントが行われる。通称として両国国技館の名が定着している一方、主催者側の案内では国技館と表記される場面も多い。
国技館の名物としては、場内で提供される飲食や土産物も挙げられる。ちゃんこや焼き鳥などは観戦の定番として知られ、相撲案内所や売店文化とともに、施設そのものが相撲の周辺文化を体験する場所になっている。
歴史
国技館の歴史は、明治末期に両国回向院の境内に建てられた初代国技館にさかのぼる。ここでは近代相撲の興行が行われたが、震災や戦災の影響を受け、戦後の恒久的な会場として蔵前国技館が整備された。蔵前国技館は1950年代に完成し、長く東京本場所の中心として機能した一方、老朽化や設備面の制約が課題となり、移転が検討されるようになった。
こうした流れを受け、現在の地に新たな国技館が建設される。現在の両国国技館は1985年に開館し、蔵前国技館から東京本場所の舞台を引き継いだ。緑の大屋根が目立つ外観は両国のランドマークとして定着し、周辺には相撲部屋や相撲に関する施設、土産物店が集積していく。街の側でも、相撲と観光を結び付ける取り組みが進み、国技館は単なる会場を超えて地域の核となった。
また館内には相撲の資料を扱う相撲博物館が設けられ、番付や歴代力士に関する展示を通じて、競技としての相撲だけでなく文化としての相撲を紹介している。観戦の有無にかかわらず相撲史に触れられる点は、他のスポーツ施設にはない特色といえる。
イベント
相撲興行では、年6回の本場所のうち東京で行われる3場所が国技館で開催される。1月場所、5月場所、9月場所が国技館の本場所として定着し、力士の成績や番付の流れを追う中心舞台になっている。本場所以外にも、巡業や引退相撲、各種の相撲行事が組まれることがあり、土俵が象徴する伝統行事の場としての役割が続く。
一方で国技館は多目的アリーナとしても知られ、相撲のない時期には格闘技興行やプロレス、音楽ライブ、式典などが開催される。客席を組み替えられる構造や音響照明設備の整備により、土俵中心の劇場型空間からコンサート仕様の会場へと転換できる点が強みとなる。イベントによってはリングやステージを設置し、四方を客席が囲む国技館ならではの一体感が演出に生かされる。
観戦体験の面では、桝席での独特の座り方や弁当文化、土産物の買い回りなど、相撲場としての作法がイベント時にも話題になりやすい。相撲ファンにとっては聖地であり、イベント来場者にとっては非日常の会場という二つの顔が、国技館の存在感を支えている。
国技館の緑の大屋根は両国の目印で、駅に着いた瞬間から相撲の街に来た気分になれるのだ!

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