1月3日に話題となったキーワードは 「ベネズエラ」 です。
米国がベネズエラへの攻撃とマドゥロ大統領拘束を表明し、中南米への軍事関与が再び焦点になっています。麻薬対策という名目の裏で何を得ようとしているのか、ネット上でも大きな議論を呼んでいます。
何が起きたか
米軍がベネズエラの首都カラカスなど複数の軍事施設を空爆し、特殊部隊がマドゥロ大統領夫妻を拘束して国外に連行したと発表されました。現地では爆発や火災が相次ぎ、市民生活にも大きな混乱が広がりました。
注目を集めたのは何故か
議会承認も国連安保理決議もないまま、他国の首都を奇襲し国家元首を拘束したという前例がほとんどない作戦だったからです。麻薬対策や石油利権、中国やロシアとの駆け引きなど、さまざまな思惑が重なっていると見られています。
ポイント
今回の攻撃は、国際法違反との批判と「独裁者排除を評価する声」が真っ向からぶつかっています。今後のベネズエラの政治体制だけでなく、台湾やウクライナなど他地域の安全保障議論にも波及しかねない局面です。
一気に大事になったのでSNSの話題がほぼこれ一色になってしまったのだ。
ベネズエラ攻撃で何が起きたか
現地時間の1月3日未明、ベネズエラの首都カラカスやその周辺で複数の爆発が確認されました。空港や軍事基地、政府関連施設が攻撃対象となり、市街地からは大きな炎と煙が上がる映像も報じられています。
その後、トランプ大統領は自らのSNSで「ベネズエラへの大規模攻撃を成功裏に完遂した」と表明しました。米軍の特殊部隊が大統領官邸などを急襲し、マドゥロ大統領と夫人を拘束して国外に移送したと説明しています。
マドゥロ政権側はこれを「極めて重大な軍事侵略だ」と非難し、全土に非常事態宣言を発令しました。一方で、政権と対立してきた反政府勢力は「独裁からの解放だ」として歓迎する声を上げています。
麻薬対策と「法執行」という名目
今回の作戦について、トランプ政権が前面に出している大義名分は「麻薬との戦い」です。ベネズエラはコロンビア産コカインなどの中継拠点とされ、米国内で乱用が深刻な合成麻薬フェンタニルのルートの一つになっていると指摘されてきました。
トランプ氏は以前から、マドゥロ大統領が麻薬組織「太陽のカルテル」を率いる存在だと批判し、この組織を「外国テロ組織」に指定しました。さらに、米国内で多くの死者を出しているフェンタニルを「大量破壊兵器」に準じる脅威と位置づけ、大統領令にも署名しています。
その延長線上でホワイトハウスは、今回の軍事行動を「戦争ではなく、麻薬テロに対する法執行だ」と位置づけようとしています。しかし、実際には他国の領土に武力をもって踏み込み、国家元首を拘束したことになります。
国際法と「二重基準」をめぐる論争
今回の攻撃には、国連安保理の武力行使決議も、米連邦議会の事前承認もありません。攻撃を正当化できるのは「自衛権の行使」か「安保理決議」に限られるというのが国連憲章の基本的な考え方です。その意味で、多くの国際法学者や人権団体が「明白な国際法違反だ」と批判しています。
ロシアやイランなどベネズエラの友好国も「主権侵害」だとして非難し、ブラジルやコロンビアなど周辺の南米諸国も国連安保理の招集を求めるなど懸念を表明しました。国連事務総長も深い憂慮を示しています。
日本国内でも、「ロシアのウクライナ侵攻は批判しておきながら、米国のベネズエラ攻撃を批判しないのは二重基準ではないか」という声と、「独裁政権を放置し続けるよりマシだ」という意見が激しくぶつかっています。
ベネズエラ国内と周辺国の反応
ベネズエラ国内では、長年の経済危機と政治腐敗に苦しめられてきた人々が多く、マドゥロ政権への不満は強いものでした。そのため「ようやく独裁が終わった」「自由を取り戻した」という喜びの声も上がっています。隣国チリなどに移住したベネズエラ人の中には、路上で喜びを表す様子も伝えられました。
一方で、爆撃による民間人への被害、今後の治安悪化や報復の連鎖を心配する声もあります。政権中枢の一部は残っており、国防相は「降伏しない」と徹底抗戦を呼びかけています。政権内部に米国と通じる協力者がいたのではないかという指摘もあり、今後の権力闘争は予断を許しません。
南米各国の反応も分かれています。「侵略」として非難する政権もある一方、マドゥロ政権と距離を置いてきた政府や政治家の中にはトランプ政権の行動を支持する声もあります。
今後のシナリオと影響
今後の焦点は大きく三つあります。第一に、ベネズエラでどのような政治体制が形作られるのかです。亡命中の反体制派や野党指導者が新政権樹立を目指す動きが出ていますが、軍や治安機関をどこまで掌握できるかは不透明です。
第二に、米軍がどこまで関与を続けるのかという点です。今回の作戦は「限定的な斬首作戦」と説明されていますが、治安悪化や内戦の拡大を防ぐために地上部隊の投入や長期駐留が必要になる可能性もあります。そのコストとリスクを米国世論がどこまで許容するかが問われます。
第三に、国際秩序への長期的な影響です。ロシアのウクライナ侵攻、中国による台湾への圧力に続き、米国までもが国連憲章の枠を越えた軍事行動に踏み切ったことで、「力による現状変更を批判する道義的な立場」が弱まるとの懸念が広がっています。
軍事介入で独裁者を排除しても、民主的な統治や経済再建が自動的に実現するわけではないことは、イラクやアフガニスタンの例が示しています。 ベネズエラの人々が本当に望むのは、外からの空爆ではなく、腐敗のない政治と安定した暮らしでしょう。
日本にとっても、同盟国による国際法違反をどう評価するかは、自国の安全保障に向き合う上で避けて通れない論点になりそうです。
この先が大変そうなのだ…

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