カンピロバクターは、主に鶏などの腸管にいる細菌で、加熱不足の鶏肉や汚染された水・生乳などを介して胃腸炎を起こすことがある。下痢や腹痛、発熱が中心で多くは自然に回復するが、乳幼児や高齢者などでは重症化に注意が必要とされる。
概要
国内で話題になりやすい原因は、鶏肉の生食や加熱不足である。健康に見える家きんでも腸管内に菌を持つことがあり、処理工程だけで完全に取り除くのは難しいとされるため、鶏肉や内臓は汚染され得る食品として扱う必要がある。
菌種としては Campylobacter jejuni と Campylobacter coli が代表で、人の腸炎では前者が多いとされる。感染は主に口から入り、家庭や飲食店での調理を通じて起きる。汚染された水や生乳、動物との接触が関係する例も報告されている。
症状は下痢、腹痛、発熱、吐き気などが中心で、体調や摂取量によって幅がある。潜伏期間は数日程度とされ、食事の直後ではなく数日後に体調を崩して原因が見えにくいことがある。多くは水分補給などの対症療法で回復するが、脱水には注意が必要である。
重症化しやすい人として、高齢者、妊娠中の人、免疫が弱い人などが挙げられやすい。まれに神経の病気であるギランバレー症候群との関連が話題になることもあり、単なる腹痛として済ませず、様子がおかしいときは医療機関に相談するのが一般的である。カンピロバクターは身近な食中毒原因であり、鶏肉の扱い方が発生リスクを大きく左右する。
発生の特徴として、集団発生よりも小規模な事例が積み上がりやすい点が指摘される。外食だけでなく家庭でも起こり得るため、特別な食材を避けるというより、調理と衛生の基本を守ることが重要になる。
予防・対策
もっとも確実な予防は十分な加熱である。家庭での対策として厚生労働省は、食肉を中心部まで加熱し、目安として中心部75℃で1分以上の加熱を挙げている。生や加熱不十分な鶏肉料理を避けることが効果的とされる。中心まで火を通すことが、いちばん効く予防策として位置づけられている。
二次汚染の防止も同じくらい大切である。生の鶏肉が触れた包丁、まな板、ボウル、トングなどが、そのままサラダや果物に触れると菌が移る。肉用とそれ以外で器具を分ける、作業順を生肉が最後になるように組む、触ったらすぐ手洗いをする、といった段取りで事故を減らせる。
洗浄と消毒はやり過ぎる必要はないが、抜けがあると効果が落ちる。生肉を扱った後は、器具を洗剤で洗い流し、必要に応じて熱湯や台所用の消毒方法で処理する。肉汁が飛び散るとシンクや取っ手にも付くため、拭き取りも含めて一連の作業として行うとよい。
飲み物と食材の選び方も対策になる。海外では未処理の水や生乳が原因となることがあり、予防としては処理された水や低温殺菌などの殺菌済み乳を選ぶ考え方が示されている。国内でも生乳由来のリスクが話題になることがあるため、特に子どもや高齢者がいる家庭では注意が向きやすい。
外食での対策としては、鶏肉の生食に近い提供や、加熱が不十分に見える料理を避けるのが基本になる。家庭でも同様で、半生の食感を狙う調理は失敗の幅が大きい。中心温度計を使うと加熱の見落としを減らせる。生肉に触れた手と器具を、そのまま別の食材に触れさせないことが次に重要になる。
体調を崩したときの対応は、無理に食べず水分を確保し、症状が強い、血便がある、発熱が続く、乳幼児や高齢者でぐったりしているなどの場合は医療機関に相談するのが一般的である。抗菌薬は全員に必要というより、重症例やハイリスク例で検討されることが多いとされる。
鶏肉は見た目が白くなっても中心が加熱不足のことがあるから、温度や厚みを意識すると安心なのだ!

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