マガジンハウスは、雑誌と書籍を中心に企画編集から出版までを手がける日本の出版社である。『anan』『POPEYE』『BRUTUS』『Tarzan』など複数の強い雑誌ブランドを持ち、ファッション、カルチャー、暮らし、都市の楽しみ方を軸に独自の編集色を築いてきた。
概要
東京都中央区銀座に本社を置き、定期刊行の雑誌ブランドを核にしながら、ムックや単行本も幅広く刊行している。社史上は1945年に凡人社として出発し、のちに平凡出版を経て1983年に現社名へ改称した。戦後の大衆誌から出発し、時代ごとの生活感覚をすくい取る編集で存在感を広げてきた出版社である。
雑誌は週刊や隔週刊、月刊など刊行形態が多様で、各誌が明確な読者像と世界観を持つ点が特徴とされる。例えば『anan』は女性の関心を横断的に扱う週刊誌として知られ、『POPEYE』は都市生活者のファッションとカルチャーを軸にした編集で認知されてきた。『BRUTUS』はテーマ特集を強みに、食や旅、アート、書籍などを一冊単位で深掘りする号が多い。
生活と地域情報に強い『Hanako』、デザインと住まいを扱う『Casa BRUTUS』、モードに寄った『GINZA』、暮らしの知恵を掲げる『クロワッサン』、成熟世代の視点を持つ『ku:nel』など、分野の異なる旗艦級タイトルが併存する。こうした多ブランド体制が、特定領域への集中ではなく、編集の幅で読者接点を作る構造につながっている。
紙媒体の編集資産をデジタルへ拡張する動きも早く、各誌の公式サイト運用や記事配信、バックナンバーの電子展開などが行われている。雑誌の特集力とウェブの即時性を組み合わせ、読者の生活導線の中で情報に触れる場を増やしてきた。
特徴
第一の特徴は、雑誌ごとに編集コンセプトを強く立て、それを長期運用してきた点である。特集の立て方、ビジュアルの作り方、コピーの調子までを含めて一貫性があり、読者が誌名だけで内容を想像しやすい。誌面の見た目だけでなく、特集テーマの切り口に編集部ごとの作法があることがブランド価値になっている。
都市の消費文化や暮らしの実感に寄り添う編集が多い。店やモノの紹介に留まらず、使い方や背景、価値観の置き方までを含めて提案する記事が多く、読者の行動に直結しやすい。特に街歩き、旅、食、インテリアのような体験型のテーマで強みを示してきた。
雑誌連載を単行本化し、書籍として長寿命化させる循環がある。人気連載をまとめて一冊にすることは出版社全体の編集効率にも寄与し、雑誌で生まれた語り口が書籍でも再利用される。結果として、雑誌の読者が書籍へ移る導線、逆に書籍の読者が雑誌へ戻る導線が生まれやすい。
沿革
1945年10月、合資会社凡人社として設立され、同年11月に雑誌『平凡』を創刊した。1954年には平凡出版へ組織変更し、戦後日本の大衆文化の拡大とともに雑誌事業を広げた。1983年10月に株式会社マガジンハウスへ社名変更し、以後は複数の雑誌ブランドを軸に出版社としての位置づけを明確化していった。
1970年代には『anan』が創刊され、女性誌の文脈で新しい編集スタイルを形にした。続いて1976年に『POPEYE』、1977年に『クロワッサン』が立ち上がり、都市生活者向けのファッションや暮らしの編集が厚くなっていく。1980年創刊の『BRUTUS』はテーマ特集型の総合誌として認知を高め、1986年創刊の『Tarzan』は健康や運動の情報を扱う定期誌として定着した。
1988年には『Hanako』が創刊され、街の楽しみ方や食の情報を強みに展開した。1997年創刊の『GINZA』、1998年に季刊として始まり2000年に月刊化した『Casa BRUTUS』などが続き、ファッションとデザインの領域でも柱が増えた。『ku:nel』は2002年に増刊としてスタートした後、2003年に定期刊行物としての体裁が整えられ、成熟世代に向けた暮らしの提案を担うブランドとなった。
主要雑誌
- 『anan』 1970年創刊
- 『POPEYE』 1976年創刊
- 『BRUTUS』 1980年創刊
- 『クロワッサン』 1977年創刊
- 『Tarzan』 1986年創刊
- 『Hanako』 1988年創刊
- 『GINZA』 1997年創刊
- 『Casa BRUTUS』 1998年季刊創刊 2000年月刊化
- 『ku:nel』 2003年創刊
- 『&Premium』 2013年創刊
『Casa BRUTUS』は1998年に季刊で始まって、2000年に月刊になったのだ!

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