未来のムスコは、未来から来た息子と名乗る少年が突然現れたことから始まる、漫画原作のホームラブコメ作品である。ヤンジャン+連載の漫画をもとにTBS系でドラマ化もされ、仕事や恋愛に迷う大人の再出発を、子育てと家族探しの騒動に重ねて描く。
概要
集英社のマンガアプリで連載された原作は、阿相クミコが原作、黒麦はぢめが漫画を担当し、単行本は全8巻でまとめられた。のちにTBS系の火曜ドラマ枠で実写化され、主人公の汐川未来を志田未来、未来の前に現れる息子の汐川颯太を天野優が演じるなど、舞台や劇団を軸にした人物配置も含めて映像向けに再構成された。
中心にあるのは、子どもを育てる覚悟ができていない大人が、ある日いきなり親になるというねじれである。恋人や貯金の不在だけでなく、夢と現実の間で揺れる働き方も絡み、家族の形が定まらない時代の不安を、日常コメディとして軽やかに見せる。息子が未来から来たという設定が、恋愛の駆け引きより先に生活の責任を突きつける点が特徴だ。
実写版では、劇団活動やバイト生活の手触りを出しつつ、颯太の存在が周囲の人間関係を一気に動かしていく構図が強調される。未来のかつての恋人で劇団座長の吉沢将生、保育の現場に近い立場の松岡優太、未来を慕う矢野真など、颯太が口にするパパ候補の呼び名まーくんに結び付く人物が複数配置され、視聴者や読者が同時に推理に参加できる設計になっている。家族ものとミステリー的な父親探しが同居しているため、温度差のある笑いと切なさが交互に来る。
また、未来が役者として舞台に立つ場面は、親になることと表現者であることがぶつかる場所として機能する。子どもの都合に合わせる時間管理、周囲の支えを受け入れる難しさ、秘密を抱えたままの対人関係など、現実味のある問題が物語の推進力にもなる。颯太の存在は単なる賑やかしではなく、未来が自分の人生を説明する言葉を取り戻す装置として扱われる。
ストーリー
崖っぷちのアラサー女性である汐川未来は、定職も貯金も恋人もないまま、役者の夢だけを手放せずにいる。うまくいかない日々をレモンサワーでごまかしながら将来を案じた夜、雷鳴とともに小さな男の子が部屋に現れる。男の子は颯太と名乗り、未来をママと呼ぶ。さらに、2036年からタイムスリップしてきた未来の息子だと言い出す。
颯太の目的は、ママとパパであるまーくんを仲直りさせることだという。しかし未来には、そんな人物と家庭を築いた覚えがない。颯太の記憶や持ち物を手がかりに、未来は身近な人々の中からまーくん候補を探し始め、同時に颯太を保育園に通わせ、食事や生活を整える必要にも迫られる。息子を未来へ帰すには何が必要なのか、そもそも帰すべきなのかという迷いも積み重なる。
父親探しは単なる恋愛の選択ではなく、未来がこれまで避けてきた決断を次々に要求する。劇団の仲間や仕事先、保育の現場など、未来の生活圏が広がるほど候補と誤解が増え、颯太の心細さも表に出てくる。未来は、夢を追う自分を守るために嘘をつきたくなるが、子どもは嘘に敏感である。小さな生活の約束を積み上げながら、未来は過去の関係を見直し、颯太はこの時代でしか得られない安心を覚えていく。
やがて、颯太が帰る期限のようなものが意識され始めると、未来は家族でいる時間の重みを初めて実感する。誰がまーくんなのかという謎は、未来がどんな人生を選び直すのかという問いと結び付き、タイムスリップの仕掛けも含めて物語が収束していく。
颯太のパパ候補が何人も出てくるから、読み進めるほど推理ごっこみたいに楽しめるのだ!

この記事へのコメントはありません。